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日本政府支援新規事業サマリー (2015)

アフガニスタン

「コミュニティ主導の都市インフラ事業」
総予算:USD20million

2014年に成立したアフガニスタン新政権は、都市とは開発の経済的原動力であると位置づけており、生活環境改善と都市サービスの供給を実現するものだとしています。都市サービスの供給は社会の連帯感を醸成し、自治体への信頼構築にもつながります。もし新政権と国際社会が弱者の基本ニーズに応え、元兵士の社会復帰を実現できなければ、収入を求めて麻薬などの違法行為や暴力勢力に加わるなど、地域の安定を脅かしかねない危機的状況です。またアフガニスタンでは国際治安部隊(ISAF)からアフガニスタン政府への治安権限移譲が重要課題となっており,権限移譲を円滑に進めるためにも、都市部の安定と発展が不可欠となっています。

この状況に対して、国連ハビタットは元兵士や国内避難民、地方から都市部へ流入する移民、帰還民、都市部の低所得者等、もっとも脆弱な世帯を対象とし、コミュニティによる事業実施主体であるコミュニティ開発協議会の設立を通して生活改善を支援する緊急事業を実施します。カブール、カンダハル、ヘラート、マザリシャリフ、ジャララバードの5都市のうち、基本サービスが行き届いていない地域を対象に、弱者グループの緊急ニーズに対応し、コミュニティ強化を図りながら基本サービスへのアクセス確保や彼らが尊厳を持って生活できるよう生計改善も支援します。

国連ハビタットは、アフガニスタン政府の地方統治独立局(Independent Directorate of Local Governance)および各自治体と密接に連携を取りながら本事業を実施します。総受益者は約236,000人を見込んでいます。(注:本事業は「都市連帯プログラム」の一環となります。)

イラク

「イラクにおける仮設住宅市街地建設を通した人道支援プロジェクト(バグダッド、ドホーク、カルバラ)」
総予算:USD15million

イラクは長年人道危機に直面しており、2006年以降のイラク内戦で発生した国内避難民110万人、シリア内戦で発生した25万人のシリア難民に加え、最近では2014年以降イラクの5つの県におけるイスラム過激派組織のISILとの戦闘により発生した200万人以上の新たな国内避難民の発生し、一層深刻な状況が続いています。2003年以降、国連ハビタットイラク事務所は戦後の緊急復旧支援を大きく担っており、特に国内避難民のための住宅の建設復興支援に尽力してきました。2004-2008年にかけては、国連ハビタットは日本政府の42百万ドルの支援を受け、主要8都市において住宅、コミュニティ施設、学校、公共施設の建設を実施しイラクの復興に貢献しました。

2014年以降の人道危機への対応としては、国連ハビタットイラク事務所はシリア難民並びにイラク国内避難民に対する人道支援プロジェクトを推進してきました。そのなかでも2014年の大きな成果として、国連ハビタットはイラク・クルド人自治区の3つの州における仮設住宅市街地の建設を実施しました。

2015年、日本政府の支援により国連人間居住計画イラク事務所は新たなプロジェクトとして、イラク、バグダッド(500戸)、ドホーク(800戸)、カルバラ(400戸)の3県において計1,700戸の仮設住宅の建設を含む住宅地整備と生活インフラの整備を実施いたします。仮設住宅の建設によって住宅問題を解消し、国内避難民の最低限の尊厳を守るとともに、耐久性の高い厳しい自然環境にも適応可能な適切な手段を推進します。さらに長期化が予想される国内避難民問題に対し、仮設住宅の供給は中長期的視野でみても経済的な対処方法だと考えられます。

国連ハビタットイラク事務所並びにイラクの3つの県政府は仮設住宅地の選定を行い、土地利用計画策定に入りました。またプロジェクト実施のためのスタッフ配置プロセスも既に動き出しています。また、建設される仮設住宅への入居者は、人道支援機関により構成される危機・保護クラスターで合意した選定基準により選定されます。開発される住宅地には道路・電気・上下水道が整備され、また将来的に建設される学校や医療センター用の用地も用意されます。

パキスタン

「ハイバル・パフトゥンハー州のホストコミュニティに居住する北ワジリスタン管区からの一時避難民へのシェルター及び水と衛生支援事業」「連邦直轄部族地域(FATA)ハイバル管区ティラ峡谷への帰還世帯へのシェルター及び水と衛生支援事業」
総予算:USD4.03million

アフガニスタンと国境を接するパキスタン連邦直轄部族地域(FATA)では、武装抗争が10年以上も続いています。アフガニスタンと国境を接するパキスタン連邦直轄部族地域(FATA)では、武装抗争が10年以上も続いています。一方、2013年にティラ峡谷から避難した人々については、政府による帰還が進められていますが、人道的課題は深刻であり、緊急支援を要する状況です。

2013年12月、国連ハビタットは、FATA政府の要請によりパートナー機関とともに「ティラ峡谷における緊急被害と住宅再建ニーズアセスメント」を行い、避難民の出身地の住宅復旧が大変困難であることを明らかにしました。さらに、国連ハビタットも所属するパキスタン人道支援チームは50万人の国内避難民(IDPs)を対象とした北ワジリスタン予備復興計画を2014年7月に立ち上げました。

上記のような状況をふまえ、日本政府は国連ハビタットを通じた北ワジリスタン管区からの避難民とハイバル管区ティラ峡谷への帰還民に対するシェルター及び水と衛生支援にUSD4.03millionの拠出を決定しました。この拠出金により、北ワジリスタン管区の弱者1,800世帯の住居環境改善支援が可能になるとともに、3,846世帯が衛生環境の改善支援を受けることができます。また、ティラ溪谷に帰還した1,800世帯には、仮設住宅・水と衛生環境改善のために、基本的な建設資材キットや衛生キットの配布、水供給設備やトイレ等の整備、水と衛生に関するトレーニング等が提供されます。

スリランカ

「マナー県におけるコミュニティ主体の学習環境改善を通じた持続可能な再定住計画」
総予算:USD 4.2million (JPY507,000,000)

スリランカでは、2009年5月、30年間に渡って45万人の国内避難民を生み出した内戦が終結しました。特に戦災の被害が甚大であった北東部においては、家屋及び学校を含むコミュニティインフラが大きく被災し、避難民が帰還し、再定住が開始された後も生活環境や子ども達の教育に深刻な影響が及んでいます。北部州マナー県の子ども達は未だに仮の校舎や木の下で授業を受ける等学習環境が整っておらず、トイレ等の公衆衛生施設の不足による健康被害も報告されています。

日本政府は、国連ハビタットを通じて、現在大規模なコミュニティインフラ再建事業を支援しており、北部州のマナー県、キリノッチ県、ムライティブ県及び東部州のバッティカロア県において、「北部州紛争地域における地域社会インフラ施設再建計画」(2012年開始)及び「北部州及び東部州における地域社会インフラ施設再建、生計向上及び女性の能力強化支援」(2013年開始)の2事業を実施しています。国連ハビタットはコミュニティとともに、幼稚園、公民館、村道、雨水排水溝等の必要不可欠なコミュニティインフラを再建しています。

紛争からの復興をさらに促進するため、日本政府は2015年3月、マナー県における学習環境改善事業に420万米ドルを拠出します。本新規案件は、15校の小中学校に対し、校舎や衛生施設及び教師用の宿舎建設を支援し、5,500名の生徒を含む10,000人の再定住民に裨益します。(本地域は教師の確保のためには宿舎の提供が必要条件となります。)4月1日より30ヶ月の事業期間が予定されており、国連ハビタットは、コミュニティ組織やPTA、そしてスリランカ政府をパートナーとして本事業を実施します。

ミャンマー

「少数民族地域とヤンゴンにおける脆弱な貧困コミュニティへの緊急援助プログラム」
総予算:USD5.3million(JPY631,000,000)

ミャンマーのコミュニティは、紛争や度重なる自然災害、異常気象により一連の社会経済発展が妨げられてきました。なかでも紛争については、2014年9月までに50万人以上が避難民となりました。カチン州では、現在でも約10万人の避難民が150以上にのぼるホスト・コミュニティ等で暮らしています。このうち50パーセント以上が政府の管理が行き届かない地域にあるキャンプに避難しています。

一方、人口580万人の商業の最大都市ヤンゴンは、頻発する自然災害(例えば洪水、サイクロン、暴風による高潮、火災、地震)により多くの脆弱な貧困コミュニティが被害を受けてきました。住宅の34.5%が耐久性が低く、3.4%が間に合わせのもろい資材で建てられており、約4万世帯は最も劣悪な居住環境での生活を余儀なくされています。このような世帯で生活する人々は絶えず洪水の被害にあっており、特に子どもたちへの健康被害が深刻です。

今回の日本政府支援により、紛争や自然災害で被災したミャンマーの脆弱な貧困コミュニティが抱える緊急ニーズに応え、1日も早い生活再建と持続的な生活の質の改善を支援します。女性の活発な参画によって社会経済活動への迅速な復帰を促し、子どもたちに安全で健全な環境を提供することで、想定外の災害下で弱者となり得る女性と子どもを支援します。

本事業を通じた受益者は約6万5千人を見込んでおり、ヤンゴンの災害に脆弱な地域に住む貧困世帯の居住環境改善と、荒廃した住宅の再建を通じて特に女性や子どもたちの安全確保と生活環境改善を支援します。また、カチン州の紛争で被災したコミュニティに対してコミュニティインフラの再建を通して社会経済網の発展に寄与します。事業は、住民が住宅やコミュニティインフラ改善の計画・実施に主体的に参画するとともに地元経済を活性化させる「ピープルズ・プロセス」を用いて実施します。本事業を通じて、最貧困世帯が持続的に生計を営めるよう支援するとともに、コミュニティの能力を向上して今後の地域改善・開発活動に携えるよう寄与します。

南スーダン

「南スーダンにおける帰還民・国内避難民のための洪水対策、水と衛生、生計支援事業」
総予算:USD2.4million

南スーダンでは、2013年12月に始まった紛争に伴う市民への残虐行為等により、何百万人にも及ぶ人々が生命の危険にさらされています。治安の悪化や抗争の激化により人々は移動の自由も奪われており、以前から不安定であった国内は、難民の増加、感染症や怪我による疾病や高い死亡率、食糧不足と生計不安、栄養失調など、深刻な人道危機に直面しています。

2015年には国内避難民1,95百万人と難民29万3千人に達すると予想される他、年末までに2014年からの累計で27万人以上が近隣諸国へ避難するとみられています。

国連ハビタットは2006年より南スーダンで活動を行っています。2014年末には北バハル・アル・カザール州、西バハル・アル・ガザール州と中央エクアトリア州で実施した日本政府支援事業(2013-2014年)を終了しました。この事業では、対象3州5か所で帰還民家族を対象に計600軒の住宅供給、基本サービスの提供、帰還先での生計手段の回復を支援しました。

今回拠出される日本政府支援事業においては、中央エクアトリア州ジュバ郡及び西バハル・アル・ガザール州ジュル川郡の避難民・帰還民家族を対象に、i) 洪水対策改善を通じた居住環境改善と農産物増産による健康リスクの軽減、ii) 対象2地区における国内避難民・帰還民および難民を受け入れるホストコミュニティの脆弱性緩和と食糧安全保障の改善等の緊急人道支援を行います。本事業は、2015年に策定された国連南スーダン人道支援計画の実現に直接寄与するものです。


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