チン州はミャンマー全土の14地域/州の中で最も貧しく、73%の人々が貧困ラインを下回る生活を送っています。2015年の洪水では、チン州全体の4.3%にあたる20,449人が被災し、住宅やインフラへの広範囲にわたる被害は州内の9区域にも及びました。ミャンマーの災害評価レポートによると、チン州はラカイン州に次いで国内で2番目に被害が大きく、住宅3,987棟が洪水により倒壊又は破壊され、内2,934棟が移転を余儀なくされています。
国連ハビタットは日本国政府の資金援助(607,000,000円)により、コミュニティ・インフラの整備や安全な飲み水へのアクセス向上、2015年の洪水で被災した住宅の再建等を通して、チン州における貧困層コミュニティを支援します。
本プロジェクトは、健康で生産的な生活実現に向け「コミュニティのエンパワーメント」に焦点を当て、コミュニティ住民たちが一体となり、質の良い基本サービスや住宅の建設・改修等の過程に参画して事業を実施します。また本プロジェクトの目的は、貧困層/民族コミュニティからの緊急ニーズに応じて、住民の正常な生活を取り戻し、生活の質を向上及び持続させることにあります。事業はチン州のハッカ、テディム、ファラム、タットラング区内の200村にて実施します。
現地住民が中心となる開発を支援する本プロジェクトは、最も貧困な弱者グループの健康および生活水準の向上を目指すミャンマー政府の「経済社会改革のためのフレームワーク(FESR)」の優先政策に寄与するものであります。災害に脆弱な地域に居住する貧困コミュニティの緊急住宅ニーズにも対応し、人々を中心とした国の強靭な成長を促進するミャンマー政府の対策を支援するものです。