背景
2001年8月の国連ハビタットと中国政府建設省の合意に従い、国連ハビタットはウェイファン市(山東省)が「福岡方式」として知られる準好気性埋立方式のごみ埋立地の建設を行うのを支援している。この取り組みの大きな目標は、対象都市が環境にやさしいごみ処理を実施できるようにすることである。この事業が成功し、準好気性埋立方式の効率的な導入方法が確立されれば、他都市への応用も可能となる。同事業では福岡市と福岡大学、国連ハビタットによるワーキンググループがウェイファン市への継続的な技術支援を提供している。さらに、福岡の民間企業の専門家も加わって技術協力ワーキンググループを結成し、ボランティアで事業に参加している。
成果
ワーキンググループの指導により中国の技術者が福岡方式埋立地の設計を完成し、ウェイファン市は2003年 10月に6.4ヘクタールの福岡方式埋立地の建設を完了しごみの埋め立てが開始された。この埋立地は110万トンの容量があり、将来的には35ヘクタールに拡大させる計画である。浸出水(ごみ汚水)の処理施設と試験室も建設され、環境モニタリングが実施されている。2004年9月上旬、この事業の技術評価書(案)を作成し中国側に提出した。そのフォローアップとして2004年9月下旬にウェイファンへ専門家グループを派遣し、ウェイファン市、山東省、中国建設省の職員と協議を行った。その結果、この事業の技術面での評価を行うには一定期間の経過が必要であると同意した。技術評価に不可欠な浸出水のモニタリングデータに関して定期的にデータが福岡へ送られることが決定した。また、技術評価書(案)で提案された改善工事の実施の重要性が確認された。国連ハビタットは2005年4月、福岡市の協力により山東省建設庁・ウェイファン市・リンイ市の専門家6人を福岡市に招いて福岡市の埋立地の視察や今後の計画について意見交換を行った。