背景
インドネシアでは、都市部から孤立した地方が経済の主流から取り残され、経済的な発展が遅れていることは以前から指摘されていた。「地方経済開発のためのパートナーシップ(KPEL)」の立案者は、自然な形で国内交易を促進・活性化するための慎重な投資を行うことによってこのような現状を改善できると分析した。つまり、市場開拓の機会を探り、特に既存の市場の外に販路を開くことにより、農村地域の生産者をその市場につなごうというアイデアである。KPELはこのアプローチを単なる農村と都市の連携から、参加型の計画・管理のプロセスを通じた生産者と供給者の連携に拡大した。
事業の目的は、初期段階で構築および試験導入したアプローチを基礎とし、インドネシアの地方および地域レベルの組織・制度の能力を高め、地方経済開発を促進するパートナーシップを構築できるよう支援することにある。また、地方および地域のパートナーシップを国または国際レベルの活動につなぐ国レベルのパートナーシップの構築も目指すものである。
成果
2003年の事業支援は地方および地域レベルのパートナーシップ構築を拡大し、新たな良い事例を文書化すると共に、外部機関による事業評価を通して得られた教訓の分析を行った。また、国および国際レベルの支援メカニズムを構築した。ランパンのコーヒー産業について文書化し、仲買人がマーケットに関する自分たちの知識を農民たちと共有することによって農民たちはより質の高い品物を生産できるようになり、その結果、商品の価値が高まることで仲買人にも農民にも相互利益をもたらした事例を紹介した。外部機関による評価は、このようなパートナーシップを通して仲買人も農民も「12段階のKPEL」のアプローチによって収入の増加や住環境の改善などの恩恵を受けていると結論づけている。
また、国レベルでは政府機関と仲買人および生産者組織のパートナーシップも構築された。この国レベルのパートナーシップについては、過去の事業支援によって構築された地方および地域のパートナーシップとの適切な組織的・制度的連携を探っている段階である。 2004年には地方および地域のパートナーシップについてさらに文書化を行い、国レベルへの支援も継続する予定である。