背景
線路沿いに暮らす人々
不法居住者やその他の都市貧困層は現在のプノンペン市人口の25%(約25万人)を占めると推定されている。「プノンペン都市貧困緩和プロジェクト」は、1996年に始まった第1期事業の成果をもとに2000年11月に開始された。同プロジェクトは、都市貧困層地域と共に行った過去の活動から得られた教訓を制度化し、「プノンペン貧困削減戦略」を実施するプノンペン市当局の能力を強化することを目的としている。プロジェクトの目標は、スラムの状況改善と「安定した土地保有」の保障によって約15万人の都市貧困層の生活を改善するため、新しい都市ガバナンスのメカニズムを導入することにある。
成果
年に100のスラム改善を掲げる
カンボジア首相
カンボジア首相
2004年3月に終了したこのプロジェクトでは、政策面の支援を強化することに重点を置いた。特に、カンボジアにおける分権化政策とより連携し、貧困層の利益を重視した都市ガバナンスを実現するために必要な制度上のメカニズムの強化に取り組んだ。地域開発管理委員会は、貧困層地域とプノンペン市当局との間で政策に関する対話を促す橋渡し役として、さらにその機能が強化された。また、地域の積極的な参加を促す上で、地域活動計画が主要な役割を果たすようになった。首相が今後5年間にかけて毎年100のスラム地区の状況を改善すると表明するなど、スラム移転政策に比べ、政府のスラムに関する政策においても大きな前進がみられた。国レベルの貧困軽減戦略のフレームワークのもと、都市貧困戦略が改定され、土地の分割プログラムがすすめられ、土地管理のマニュアルやガイドラインが作成された。