背景
近年、コロンボ市当局は行政の改善と変革に強い意欲を示している。特に、市民のニーズにより迅速に応えることのできる行政運営に重点を置き、計画や意思決定の過程に広範囲の関係者の参加を促進している。また、公共サービスの提供および管理に民間部門の参加も促している。このような取り組みにより、コロンボ市は持続可能な都市開発に向けた包括的なアプローチを促進する上で、他の小規模都市の取り組みを指導し、支援するという影響力のある協力機関となっている。
この事業の目的は、コロンボ市当局内に都市貧困層と密接に連携する参加型で持続可能な組織と制度の枠組みを構築することにより、都市貧困の削減を進めることにある。
成果
コロンボ市の貧困状況に関する報告書に基づいて2002年に策定された貧困削減戦略の草案を実行に移すことが、2003年における事業支援の中心課題であった。事業は、地域、区、そして都市レベルで参加型の作業部会である住宅地域開発委員会を設立した。地域レベルの支援は、地域活動計画(CAP)の策定に焦点を当てた。CAPは、都市貧困層地域が公共サービスの改善における自分たちの優先課題について、区役所の職員と相談しながら自ら意思決定していくプロセスを促進するという画期的なアプローチである。
CAPによる公共サービスの改善と地域のエンパワーメントを持続可能なものにするため、コミュニティ契約の手法や地域起業、トレーニング、貯蓄や融資プログラムの試験導入も実施した。20の都市貧困層地域に対し、CAPを策定するためのトレーニングと地域起業の支援を実施し、また15の地域に6万ドルの小規模インフラ支援を提供した。区レベルでは、職員たちがスキル・トレーニングを受けると共に、タイへの研修も実施した。都市レベルでは、都市政策の核として貧困削減戦略を普及させるための支援が継続された。2004年の課題は、CAPのプロセスと良い事例を政策に反映させると共に、住宅・地域開発委員会内に制度として根付かせることである。