背景
この事業は、「持続可能なコロンボ中心部(SCCA)事業」を基礎としている。SCCA事業の第一段階では、自治体、NGO、地域のパートナーシップを構築し、コロンボ首都圏の3つの行政区における環境計画や都市管理上の問題に取り組むため、地域レベルでモデル事業を実施した。第二段階では、「持続可能なスリランカの都市プログラム(SSLCP)」の下で持続可能な人的資源開発を実施している。第一段階で構築したパートナーシップを体系化するとともに、地域レベルでのモデル事業を通して得られた経験を文書化し、全市に拡大し、さらに全国の他の都市に普及させるための基礎作りを行った。さらに、良い事例を他県の都市地方自治体に普及させ、教訓を政策の策定や法制改革に活かすため、西部県および都市開発と地方自治を担当する省庁にも支援を拡大している。
成果
事業は、全国レベルの普及戦略を試行するため、地元の状況に合わせた環境計画と環境管理の方法、および 2002年に文書化した良い事例をさらに2つの県の5つの自治体(マタレ、ガンパハ、ラトナプラ、ヌワラ・エイルヤ、カンディ)に普及させた。また、住宅インフラ省の支援チームの能力強化も支援した。能力開発支援を多数の協力自治体に拡大するため、地元の2つのトレーニング機関がトレーニング・ガイドをワークショップ用に改訂し、5つの自治体と西部県の7つの自治体でテスト導入した。さらに、新たなNGOが事業に参加し、都市レベルでの実地研修方式の能力開発支援を担当した。事業を通して得られた教訓を政府の改訂版「都市部門政策」に取り入れたほか、都市ガバナンスの改善が政府の白書の基礎となるなど、政策面での支援も強化された。
このような成果を受け、環境計画などを地元の状況にあわせたプロセスや良い事例の文書化などを基礎とする「都市ガバナンス支援プログラム」が策定された。このプログラムは、2004-06年における都市部への機関横断的な支援の基礎となるものである。
協力機関
スリランカ政府住宅インフラ省、家庭省、地方自治体および州当局、中央、サバラガムワ、西部の各州行政当局、コロンボ、デヒウェラ・マウント・ラビニア、コーッテ、モラトゥワ、ネガンボ、マタレ、ガンパハ、ラトナプラ、ヌワラ・エイルヤ、カンディの各市行政当局、コロナワ、パナドゥラ、ワッタラの各都市地方自治体、スリランカ地方自治研究所、スリランカ市街計画研究所、SEVANATHA(NGO)、適切な都市ガバナンスのためのマネジメント・リソース、国連開発計画(UNDP)