環境技術専門家会議では、日本側から紹介のあった環境技術に対し、アジア側出席者から「ランニングコストはどのくらい」「ディスカウントはあるのか」「私たちの都市の気候でも導入可能か」など多くの具体的な質疑が行われました。KCAPは、多くの技術とアジア都市の要望の中から、最も実現可能性の高い技術を選択し、現地において小規模のパイロット事業を実施しています。
第三回環境技術専門家会議のパイロット事業は、二社の企業のコラボレーションによって実施されました。今回の会議には、アジア側から出席した13カ国のうち、スリランカからは、バチカロア市のプラバハラン市長が出席されました。会議終了奥後、市長は「バチカロア市には7年前に建設された下水施設があるが、現在機能しておらず、下水が適切に処理されていない。ぜひ専門家に来て改善して欲しい」と言われました。また、事前の国連ハビタット職員による視察によると、同市では定期的に一般家庭および公共施設の浄化槽からこの施設に汚泥を運んでいるものの、汚泥が投入槽から溢れ出ており、周辺の住民からの悪臭に対する苦情もでていることがわかりました。ハ 2012年5月、上下水道の設計やコンサルティングが専門のアサヒクラフトエンジニア社、およぶバイオ製剤によって浄化槽や下水施設、あるいは河川や湖水などの浄化を行うアクアサービス社の技術提供によって、現地における下水施設改善事業が実現しました。