第三回環境技術専門家会議のパイロット事業は、二社の企業のコラボレーションによって実施されました。今回の会議には、アジア側から出席した13カ国のうち、スリランカからは、バチカロア市のプラバハラン市長が出席されました。会議終了奥後、市長は「バチカロア市には7年前に建設された下水施設があるが、現在機能しておらず、下水が適切に処理されていない。ぜひ専門家に来て改善して欲しい」と言われました。また、事前の国連ハビタット職員による視察によると、同市では定期的に一般家庭および公共施設の浄化槽からこの施設に汚泥を運んでいるものの、汚泥が投入槽から溢れ出ており、周辺の住民からの悪臭に対する苦情もでていることがわかりました。
2012年5月、上下水道の設計やコンサルティングが専門のアサヒクラフトエンジニア社、およぶバイオ製剤によって浄化槽や下水施設、あるいは河川や湖水などの浄化を行うアクアサービス社の技術提供によって、現地における下水施設改善事業が実現しました。
現地の状況を詳しく見てみると、施設自体に問題はなかったものの、投入される汚泥の量が施設の規模に比して少なく、送水が適切に行われないまま汚泥が固まってしまい、結果として周辺に溢れ出ていることがわかりました。
そこで、管の位置を調節し、底に固まった汚泥を浚渫し、通水した後にバイオ製剤を投入しました。この施設は電気や給水設備がないため、バクテリアの力を借りて汚水の分解と浄化を促進することのしたのです。このパイロット事業の実施から半年経過したころの写真です。表面のアオコが大量に発生しまた底には汚泥が堆積して強烈な悪臭をはなっていた施設は水がほぼ透明になり、臭いも全くなくなりました。また、バクテリアの働きによってバランスの良い水となった施設には、ヤギや羊や鳥など動物が水を飲みにくるようになりました。
有限会社アサヒクラフトエンジニアの下水設計技術・コンサルティングおよび
アクアサービス株式会社によるバイオ製剤「アクアリフト」の活用による下水施設改善
日本
アサヒクラフトエンジニア
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