背景
インド第5の大都市であるハイデラバードの人口は約600万人で、うち150万人がスラムに居住している。ハイデラバードの都市開発戦略(CDS)は、「都市管理プログラム(UMP)」と水と衛生プログラム(WSP)が同市の12のスラムで実施した貧困層のための公共サービスの小規模な計画取り組みを基にしている。CDSはこのような過去の成功したモデル事業を拡大、または制度化するとともに、現在同市で実施されているすべての取り組みを総合的な戦略として統合し、包括的な都市開発の枠組みに基づいた将来の開発投資のガイドラインとなる方針を定めることにある。このような戦略を継続的に実施することは、都市の経済、環境、ガバナンス、貧困層を重視した政策のために不可欠である。
成果
2002年の活動に引き続き、 ハイデラバード市が議長を務める「事業諮問委員会」が中心となり、地元の協力機関であるインド行政職員大学(ASCI)の協力のもとで事業の実施を進めている。5月には、各分野の主要な問題点を明らかにし、都市の将来像に関する目標を作成するために都市コンサルティングが開催され、約120人の関係者が参加した。「適切な都市ガバナンス」および都市ガバナンスのための情報通信技術、貧困の撲滅、環境管理と観光・文化、経済開発、交通・運輸、都市財政、廃棄物管理、水と衛生、健康と教育の分野で9つの作業部会が編成された。これらの作業部会は、それぞれの分野の戦略と活動計画を策定するために会合を重ねた。作業部会同士が情報交換を行うワークショップも開催された。
このような活動の結果、戦略活動計画(SAP)と都市支援計画(CAP)が策定され、配布された。SAPでは主要な課題、障害、展望が明らかにされ、関係者が共有する都市の戦略的展望の概略を示した。CAPでは州や市、政府、外部の援助機関などの財源が明らかにされた。これらの文書は市行政当局の承認を受けるため提出されている。また、ハイデラバードCDSの実施方法と提案について協議し、合意を得るためにラウンド・テーブル会議も開催された。
協力機関
インド政府都市開発・貧困撲滅省、アンドラプラデシュ州政府、ハイデラバード市(MCH)、ハイデラバード都市圏上下水道局、ASCI、都市同盟、南アジア水と衛生プログラム(WSP-SA)、UMP-SA